京王一次別荘地の水道から出てくる水についてご紹介します。
京王一次をはじめとした周辺の別荘地域は、昭和30年代までは入会地で桑畑などが広がっていたそうです。
この辺りは井戸を掘っても水が出ないため、開発には水源を確保することが課題でした。
その後現在の国道139号線の富士山側に沿って水脈があることが発見され、京王一次の水道水はこの水脈からポンプで長い距離を揚げて配水しています。
水脈の付近には現在いくつものミネラルウォーターの採水工場がありますが、京王一次の水道は同じ水脈を利用しています。
水を語る時には、以下のようないくつかの指標が用いられます。
カッコ内はおいしい水の目安とされる値です。
硬度(10~100mg/L)
硬度とは、水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル量を、炭酸カルシウムの量で表した数値です。
京王一次の水道水の硬度は32.8mg/Lとなっており、WHOの基準では60mg/L以下の軟水となります。
ちなみに東京都の水道平均硬度65mg/Lや、千葉県の81mg/Lなど、一都三県の平均(中硬水)と比較するとかなり柔らかい水になっています。
pH値(5.8~8.6)
pH値は7が中性で、これより値が小さいと酸性、値が大きいとアルカリ性になります。
京王一次の水道水のpH値は8.1で、弱アルカリ性です。
ちなみに東京都の水道の平均pH値は7.6、海水のpH値は8です。
蒸発残留物(30~200mg/L)
主にミネラルの残渣量を示します。ほどよく含まれると水の味がまろやかになりますが、あまり多くなると苦味や渋みが出ます。
京王一次の水道水の蒸発残留物値は94mg/Lです。
別荘地で冬場に加湿器を使うと蒸気発生部に真っ白な物質がこびりつくのは、水に含まれているカルシウムなどのミネラルに起因しています。
その他の成分としては、フッ素やバナジウムが多く含まれています。
フッ素は世界56か国で水道水に意図的に添加して虫歯の予防が行われています。一方、フッ素は濃度が高過ぎると害を生ずる可能性も指摘されますが、京王一次の水道水は安全な基準値を下回ります。
富士山麓にはミネラルの一種であるバナジウムを多く含む玄武岩層があるため、京王一次の水道水にはバナジウムが約0.1mg/L含まれています。
通常バナジウムは牛乳や海産物などに含まれていますが、水におけるバナジウムの含有量としては非常に多く、インスリン効果による血糖値の低下や、コレステロールの合成を抑制することに寄与するという研究結果があります。
以上が京王一次の水道水のご紹介でした。
水の効能は別にしても、京王一次の水道水は、ペットボトルに入れて売られるような美味しい水であることは間違いありませんね。
(出典:山梨県富士山科学研究所・社団法人日本水道協会・富士観光開発株式会社)